NTTドコモが、2023年7月1日より小容量帯の新料金プラン「irumo(イルモ)」の提供を開始すると発表しました。
一方、2023年6月26日に「OCNモバイルONE」の新規受付が終了します。
一見すると、「OCNモバイルONEがirumoになってアップグレード!」という感じですが、実際のところはどうなのでしょうか?
当記事では、
このままOCNモバイルONEを使い続けれるのか?
irumoってどんなプランなの?
irumoに乗り換えた方がお得?
こういった疑問にお答えしていきます。
先に結論をお伝えしておくと、
OCNモバイルONEユーザーの乗り換えはおすすめしない。
多少高くても、ドコモの高品質サービスを受けたい方向けのプラン
当サイトでは、乗り換え先におススメできる格安SIMランキングも紹介しています。
ご興味がある方はご覧ください。
既存のOCNモバイルONEユーザーはどうなるのか?
当分の間、サービス自体がなくなることはなく、月額料金も今と変わらずに使い続けることができますので、既存のOCNモバイルONEユーザーの方は安心してください。
公式サイトにも次のようなアナウンスがありました。
あくまで6月26日に終了するのは新規受付のみです。
ただし、これから数年に渡ってOCNモバイルONEの料金プランが存在し続けるかどうかは不透明なままです。
irumoがしっかり浸透した段階で、OCNモバイルONEのサービス自体が終了する可能性もあることは頭に入れておく必要がありそうです。
そもそもOCNモバイルONEは、NTTレゾナントという会社が、ドコモから通信帯域を借りる「MVNO」という立ち位置でサービスを展開していました。
今回、NTTレゾナントが7月1日付けでNTTドコモに吸収合併されることを受けて、irumoという形で料金プランを見直したという構造になっています。
次で具体的に、両者の料金の比較を行っていきます。
OCNモバイルONEとirumoの比較
ここでは、irumoとOCNモバイルONEの次の3つの項目で比較を行っていきます。
- データ料金プラン
- 通話プラン
- 通信品質
- サポート
① データ料金プラン
データ料金プラン | irumo | OCNモバイルONE | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
割引前 | 割引後 | 割引前 | 割引後 | 割引前差額 (irumoーOCN) | 割引後差額 (irumoーOCN) | |
500MB | 550円 | 550円 | 550円 | 550円 | 0円 | 0円 |
1GB | – | – | 770円 | 550円 | – | – |
3GB | 2,167円 | 880円 | 990円 | 770円 | +1,177円 | +110円 |
6GB | 2,827円 | 1,540円 | 1,320円 | 1,100円 | +1,507円 | +340円 |
9GB(10GB)※ | 3,377円 | 2,090円 | 1,760円 | 1,540円 | +1,617円 | +550円 |
データ追加 | 1,100円/1GB | 550円/1GB |
まず、料金プランに関してはOCNモバイルONEのものをそのまま使うわけではなく、データ容量と料金に一部変更があります。
OCNモバイルONEでは最大プランが10GBだったのに対し、irumoでは9GBが最大プランとなりました。
プラン料金は大幅に改定されており、500MBプランを除いて、割引前比較でおおよそ1,100円~1,600円値上がり、割引適用後であっても110円~550円値上がりしています。
データ追加料金も、OCNモバイルONEと比較し倍の1,100円/1GBとなってしまいました。
金額差もここまでくると、全く別物の携帯会社と捉えた方が良いかもしれないな。
irumoの500MBプランは、他のプランとは若干立ち位置が異なり、
- 5Gが利用できない
- 通信速度が3Mbpsに制限
といった、データ通信をする上での制限があります。
さらには、OCNモバイルONEには「MUSICカウントフリー」というSpotifyやAmazon Musicなどの人気サブスクのデータ消費なし!という人気のサービスもありましたが、irumoでは撤廃されてしまいました。
割引に関しては次のようになっています。
irumo※ | みんなドコモ割 | カウントは対象 |
or ビジネスメンバーズ割 | dカードお支払い割187円/月割引 | |
or home5Gセット割 | ドコモ光セット割1,100円/月割引 | |
OCNモバイルONE | OCN光モバイル割 | 220円/月割引 (最大5契約で1,100円/月割引 |
光回線の契約有無が料金に大きく関わってくることになります。
個人的には、光回線とのセット割引は敷居が高いように感じていたのですが、MMD研究所が2022年11月に行った調査によると、
とのことです。
既存のドコモ光ユーザーからのirumoへの取り込みと、光回線ユーザーの新規開拓が成否を分けることになりそうですね。
② 通話料金プラン
irumo | OCNモバイルONE | |
---|---|---|
国内通話料 | 22円/30秒 | 11円/30秒 |
5分かけ放題 | 880円 | – |
10分かけ放題 | – | 935円 |
トップ3かけ放題 | – | 935円 |
完全かけ放題 | 1,980円 | 1,430円 |
通話料金も総じてirumoになって値上げされた形。
国内通話料が11円/30秒から22円/30秒とキャリアの通話料に合わせてきています。
かけ放題オプションは「トップ3かけ放題=通話料高い上位3番号が通話無料」が無くなり、10分かけ放題が5分かけ放題に変更されました。
OCNモバイルONEをメイン機で使っていた人は「10分通話無料が使いやすい」と感じていた人も多いのではないでしょうか?
5分かけ放題との差額が55円であれば、10分かけ放題の方がお得感が強そうな気がします。
irumoは留守番電話サービスとキャッチホンサービスが付帯するようにはなったものの、必要ない人にとっては値上げと言えます。
③ 通信品質
通信品質に関しては改善される可能性がありそうです。
irumoとOCNモバイルONEの大きな違いは、ドコモのMNOとしてirumoが提供されるという点です。
MVNOの立ち位置だったOCNモバイルONEは、ユーザー数や通信の混雑具合によって通信速度が安定しない弱点がありました。(それでもMVNOの中ではOCNモバイルONEの通信品質は優れていましたが)
ネットワークの構成を考えると、「理論上は」品質が上がると考えられます。
とはいえ、ここ最近のドコモは都市部での通信速度の低下が度々観測されており、もしかすると体感ではirumoもOCNモバイルONEもそこまで通信速度の違いを感じづらい可能性もあります。
また、irumoは混雑時の通信制限に関しても疑問が残ります。
irumoの公式HPに以下のような記述がありました。
同じドコモ回線でありながら、irumoは若干不遇な待遇を強いられている気がしてなりません。
とは言え、実際の使い心地は7月以降でないと分かりませんので、続報を楽しみにしておきましょう。
④ サポート
irumoの最大のメリットはサポートにあるように思います。
具体的には、
- ドコモショップでアフターサポートが受けれる
- 月額330円で「ドコモメール」が利用可能
- dカードで携帯料金を支払うと0.5~1%のポイント還元が受けられる
- 「爆上げセレクション(=対象のエンタメサービス利用料からdポイントを10%還元)」の対象になる
などがあります。
オンラインで自力で契約から問題解決までしないといけないMVNOと比較すると、確かにユーザーフレンドリーなサービスなように思います。
6月20日の報道発表資料によると、
とあるように、従来のMVNOのユーザーよりも、ドコモやauのような大手キャリアを使っていた人を取り込みたいという思惑がありそうです。
OCNモバイルONEからの乗り換え先として検討するから値上げ感が出るのであって、大手キャリアからの乗り換え先としては「低価格+高品質で選びやすい」と言えますね!
OCNモバイルユーザーはirumoに乗り換えるべきなのか?
irumoに乗り換えた方が良い人というのは、
- dカードやdカードGOLDを既に持っている。
- ドコモ光回線かhome5Gを既に利用している。
- ドコモの高品質サービスを低価格で受けたい。
という3点に集約できそうです。
以上の3点に当てはまらない方は、ここまで見てきたように、基本的にはOCNモバイルONEユーザーはirumoには乗り換えずに、そのままでいるのが現状ベターではないでしょうか?
以前、LINEモバイルがLINEMOに移行する際に、「月額料金を1年間無料」というキャンペーンをしたことがありました。
同様なことがirumoとOCNモバイルONEでも起こらないとも限りませんので、今後の動きに注意していきましょう!
ネットでの反応は?
ネットでの反応を見ていきましょう。
悪い反応
OCNからirumo、ドコモ光を契約していないと露骨に値上げされる仕組みでえげつなさがMAX。
— 🦢お太り様🐤 (@masakichi22) June 20, 2023
0.5GB:550円据え置き
1GB:廃止
3GB:990円→2,167円
6GB:1,320円→2,827円
10GB:1,760円→3,377円(9GB)
6GB(1,540円)と9GB(2,090円)に至っては光を契約してもOCN時代より高い。 pic.twitter.com/wbo3M9HraB
ocn改悪しただけのirumoなんかいらんやん。ドコモ回線でシンプルに安い日本通信圧勝 pic.twitter.com/zQjunKq9Sd
— かたやん (@ktym7) June 20, 2023
docomoの新料金プラン微妙だなぁ。
— わか (@wk19750221) June 20, 2023
私の場合、月に2ギガぐらいしか使わないので、eximoだと値上げで、irumoだと値下げ。
でもirumoは混雑時に先に通信制限がかけられてしまう。
結論としては、現状維持(ギガライト)一番安い。何かの理由でプランを変える必要が出たら、ahamoにすると思う。
Twitterで情報を集めたところ、悪い意見がかなりの割合を占めているようでした。
特に「料金の改悪」と感じているユーザーが多いようで、これを機に別のMVNOへの乗り換えを検討しているユーザーも見受けられました。
セット割を前提にした価格の見せ方に疑問を抱いている声もありました。
良い反応
イルモが「セット割前提でむしろ割高プラン!」とか言われてるけど、セット割条件満たしてて普段から使っても3GB未満な俺はぴったし過ぎてさすがに申し込もうか悩んでるけどどう思う?
— あごのひと (@agotoon) June 21, 2023
オプションでキャリアメール引き継いだとしても1210円/月は良いのでは?#irumo
ドコモの新プラン「irumo」
— 花霞さくら@質は必須🖊量も徐々に提供中⭐︎ ライター (@kasumi_saku6) June 20, 2023
なかなか良いかも💡
ahamoはドコモのセット割が効かなかったから変えられなかったけど、irumoならセット割はそのままで価格だけ抑えられる
仕事が自宅メインの私は、スマホ代がかなり節約できるかも?
ドコモ光契約者でスマホデータ量が少ない人なら、irumoは良い選択肢になりそうです😆
— おちみかん@ドコモ経済圏 (@otimikan) June 20, 2023
ドコモ光の契約者にとっては、irumoの登場は良いニュースになっているようです。
全体的にドコモやahamoユーザーからのコメントが多く、au回線やソフトバンク回線を使っているユーザーの声を見つけることはできませんでした。
まとめ
本記事では、irumoとOCNモバイルONEの比較を行ってきました。
irumoはOCNモバイルONEの後継プランという立ち位置のようですが、OCNモバイルONEユーザーからすれば「改悪」と言わざるを得ない部分が多ように感じました。
irumoが検討対象に入るユーザーは次のような方かと思います。
- dカードやdカードGOLDを既に持っている。
- ドコモ光回線かhome5Gを既に利用している。
- ドコモの高品質サービスを低価格で受けたい。
この条件を満たしていないユーザーは検討の外になるかと思います。
さらには、割引を適用させたとしても、IIJmioやnuroモバイルのように、そもそもの基本料金が安い格安SIMもあります。
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