「デュアルSIM」は、1台のスマホに2種類のSIMカードを装着することで、1台のスマホで2つの電話番号を持つことができる便利な方法です。
デュアルSIMを上手に活用することで、1台のスマホでプライベート用と仕事用で使い分けたり、月々の通信費を抑えることだってできます!
様々なメリットが存在するデュアルSIMですが、デメリットもあります。
デメリットをしっかり理解しておかないと、思わぬところで落とし穴にはまってしまうかも・・・?
本記事では「デュアルSIM」について分かりやすく解説していきます。
デュアルSIMを使いこなして、ワンランク上のスマホユーザーを目指しましょう!
デュアルSIMとは?
前述のとおり、デュアルSIMは1台のスマホに2枚のSIMカードを差し込み、1台で2つの回線を使用することができる仕組みです。
数年前までは、SIMカードはスマホ1台につき1枚までしか使用できませんでした。
しかし、ここ最近はスマホの進化が大幅に進み、デュアルSIM対応のスマホも増えてきました。
また、SIMカードの組み合わせパターンも、物理的に2枚のSIMカードを挿入するだけでなく、「eSIM」と呼ばれる、スマホに予めSIMカードを組み込んだSIMを合わせて使えるものまで登場しています。
例えば、主回線に楽天モバイルのeSIMを使い、サブ回線はpovo2.0を使う、といった感じです。
組み合わせパターンは様々で、うまく組み合わせることで通信費をよりお得にすることも可能になります。
デュアルSIMには4つの種類がある
デュアルSIMには4つの種類があり、選ぶ種類によってできることも異なります。
DSSS(デュアルSIMシングルスタンバイ)
2枚のSIMのうち、どちらか片方のSIMだけを有効にし、もう一方のSIMは無効にする方式です。
この方式のデュアルSIMを選ぶと、有効にしているSIMの電話番号は使えますが、無効になっているSIMは圏外になり着信もデータ通信もできなくなります。
また、有効になっているSIMではデータ通信が可能ですが、通話中の場合はデータ通信は使えません。
2つの回線を同時に使うことができず、それぞれ手動で切り替える必要があります。
DSDS(デュアルSIMデュアルスタンバイ)
SIMの切り替えをすることなく、「通話同時待ち受け(どちらのSIMでも着信を受けること)」ができる方式です。
ですが、片方のSIMで通話をしている時には、もう片方のSIMではデータ通信ができなくなり、着信も圏外となります。
・データ通信中→データSIMを使用
・通話中→データSIMを使用
・データSIMを使用中に通話SIMに着信→自動的に通話SIMに切り替わり、データSIMはオフラインになる
このように、一度に両方のSIMを使用することはできません。
「通話しながらマップ検索する」「通話しながらLINEを送る」ということができなくなる点には注意しましょう。
また、データ通信はどちらか一方のSIMのみで4Gが使用でき、もう片方は低速な3Gになってしまいます。
仕事とプライベートを分けて使う目的でデュアルSIMを使う方は、DSDS以上を選ぶ必要がありますね!
DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)
DSDS方式とほぼ同じような動きをしますが、どちらのSIMでも4Gで通信ができる点が異なります。
片方のSIMで通話中に、もう片方のSIMでデータ通信も着信もできない点はDSDSと同様です。
近年のデュアルSIM対応スマホは、ほとんどがDSDSかDSDVのどちらかとなっています。
DSDA(デュアルSIMデュアルアクティブ)
DSDVをさらに発展させた方式で、片方のSIMで通話中であっても、もう片方のSIMで通信が可能となっています。
現在存在しているデュアルSIMの中で一番高性能な方式です。
最強のデュアルSIMではありますが、現在流通しているDSDA方式のスマホは極端に少ないのが現状です。
以上の特徴をまとめたのが次の表です。
SIMの種類 | 通話同時待ち受け | 回線 | 通話中の通信 | SIMの切り替え |
---|---|---|---|---|
DSSS | × | 片方のみ(4G) | × | 手動 |
DSDS | 〇 | 片方が4Gの時片方は3G | × | 自動 |
DSDV | 〇 | 両方4G利用可 | × | 自動 |
DSDA | 〇 | 両方4G利用可 | 〇(両方のSIMで可) | 自動 |
次では、デュアルSIMのメリット・デメリットをご紹介します。
デュアルSIMのメリット
デュアルSIMには次のようなメリットがあります。
- スマホ1台で2つの電話番号を持てる
- うまく組み合わせることで通信費の節約になる
- 通信障害時の対策になる
- 海外渡航時、現地SIMを使いやすい
- SNSアカウントを2つ使える
- 気軽に格安SIMを試せる
順番に見ていきます。
①スマホ1台で2つの電話番号を持てる
デュアルSIMの最大のメリットは電話番号を2つ持てる点です。
通常であれば電話番号を2つ持とうと思えば、2台のスマホを持ち運ぶ必要があり荷物になり面倒ですよね。
プライベート用とビジネス用のように、異なる用途で電話番号を使い分けたい方には非常に便利です。
また、個人事業をしていて通信費を経費で計上する場合にも、デュアルSIMであれば確定申告の手間が削減されます。
②うまく組み合わせることで通信費の節約になる
デュアルSIMは通信費の削減にも一役買ってくれます。
通常、スマホの料金プランは通話とデータ通信がセットになっているものを選んでいる方も多いかと思います。
ですが、
電話はよくするけど、データ通信はもっと少なくて良いなぁ・・・
のように、通話とデータ通信の利用状況と料金プランがバッチリ合ってる方って少ないのではないでしょうか?
デュアルSIMの場合は、通話・データ通信それぞれに特化した料金プランを組み合わせることで、自分用にカスタマイズした料金プランにすることが可能です。
通話・データ通信それぞれに特化したプランは、複合されたプランよりも割安になる傾向があるため、通信費を抑える効果が期待できます。
次の表は、IIJmioの通話+データ通信プランと、データ通信(eSIM)のみプランの比較表です。
通話+データ通信 | データ通信のみ(eSIM) | |
---|---|---|
2GB | 850円 | 440円 |
5GB | 990円 | 660円 |
10GB | 1,500円 | 1,100円 |
15GB | 1,800円 | 1,430円 |
20GB | 2,000円 | 1,650円 |
データ通信のみプランの方が大体3割ほど安く設定されているのが分かります。
通話頻度が少ない方は、データ通信のみプランと、povo2.0のよな月額料金0円プランを活用するのもおススメです。
詳細なおススメの組み合わせについては後述します。
③通信障害時の対策になる
通信障害発生時にもデュアルSIMであれば対策になります。
例えば、au回線に通信障害があり通信ができなくなった場合でも、サブ回線にドコモやソフトバンク回線を使っている場合には通信が可能になるといった具合です。
2022年7月に発生したau回線の大規模通信障害時には、デュアルSIMにしておけば困ることは少なかったはずです。
また、私の友人の話ですが、初詣に行った際に、人が多く通信が混雑していたからなのか、ソフトバンクの通信速度が著しく遅くなりましたが、サブ回線のドコモ回線は普通に通信ができたので事なきを得た、という話もありました。
④海外渡航時、現地SIMを使いやすい
海外に渡航する場合、海外でデータ通信を行うと高額になる可能性があります。
その際、サブ回線のSIMを海外用のSIMカードと入れ替えることで、レンタルWi-Fiなどよりも通信費を安くすることができます。
海外渡航用SIMはプリペイド式が多く、空港などでも売られているので、結構簡単に入手できますよ。
さらに、eSIMに対応した機種であれば、渡航先の公衆Wi-Fiを利用して、通信業者の公式サイトからeSIMプランを手軽に契約することも可能です。
⑤SNSアカウントを2つ使える
また、電話番号で登録するSNSアカウントを2つ使えるようになるのもメリットの一つです。
例えば、Facebook・メルカリ・PayPay・Uber eatsなどが電話番号の登録が必要になります。
LINEのアカウントもスマホメーカーによっては2つ持つことができます。
LINEをプライベート用と仕事用に分けて使えると非常に便利ですね♪
⑥気軽に格安SIMを試せる
これまでドコモやauのような大手キャリアしか使ってこなかった人が、格安SIMに乗り換える時にもデュアルSIMは活躍します。
「格安SIMは安いけど、通信品質に不安が・・・」という時でも、メイン回線を大手キャリアのまま、サブ回線を格安SIMにして試すことが可能です。
契約した格安SIMの品質が満足のいくものでなくても、メイン回線は今まで通り使えるので困ることはありません。
逆に、サブ回線の格安SIMに満足できれば、キャリア回線を格安SIMに乗り換えるというのもアリですね。
デュアルSIMのデメリット
続いて、デュアルSIMを使う上でのデメリットも紹介します。
- SDカードが使えなくなる場合がある
- バッテリー消費が激しくなる
- プランの組み合わせによっては通信費が割高になる
順番に解説していきます。
①SDカードが使えなくなる場合がある
デュアルSIM対応スマホの中には、SDカードとSIMカードの装着トレイが共用のものがあります。
主にandroidスマホに多いです。
そのため、2つのSIMを使うとSDカードが使えなくなる可能性があるので、スマホに音楽や動画の保存を多くする方は注意が必要です。
対策としては、予め大きい容量のandroidスマホ購入するか、トリプルスロットタイプ(SIMスロット2つ+SDスロット)の端末を購入するのが良いでしょう。
トリプルスロットタイプのスマホの代表例は次の通りです。
- OPPO A54
- ZenFone Max M2
- moto g8 power lite
- Redmi Note 10 Pro
- Redmi 9T など
ちなみに、eSIMに対応している端末の場合は、スロットが被る心配はないので大丈夫です。
②バッテリー消費が激しくなる
デュアルSIMを利用すると、シングルSIMの端末に比べてバッテリー消費が激しくなる可能性があります。
これは格安SIMのデータ通信専用プランに見られる傾向があり、「セルフスタンバイ」が原因の一つと言われています。
通話回線に未接続の状態を指します。
スマホを使っていない間であっても、端末が電波を探し続けることでバッテリー消費を消費します。
特に電波の悪い場所で顕著になる傾向がある。
2つのSIMが同時に動いている状態なので、バッテリー消費が早くなるのはしょうがないかもしれませんね。
モバイルバッテリーを持ち歩くか、バッテリー容量の大きいスマホを利用することで対策をしましょう。
③プランの組み合わせによっては通信費が割高になる
メリットの章では、「うまく組み合わせることで通信費の節約になる」と紹介しましたが、組み合わせを間違うと逆に割高になってしまう可能性もあります。
例えば、ドコモ×ソフトバンクのように大手キャリアの組み合わせや、au×UQモバイルのように大手キャリアとそのサブブランドの組み合わせは悪例の一つです。
このような組み合わせのメリットも全く無いとは言い切れませんが、通信費の節約という観点からはおススメできません。
格安SIMをうまく活用した、上手な組み合わせを選ぶのが良いです。
次で、デュアルSIMのおすすめな組み合わせを紹介していきます。
デュアルSIMにおすすめ携帯会社組み合わせ3選
ここではデュアルSIMにおすすめの組み合わせを3つ紹介していきます。
①データ通信も通話もたくさんする人向け:楽天モバイル×mineo
データ通信も通話もどちらも無制限でデュアルSIM運用をしたいなら楽天モバイル×mineoの組み合わせがおすすめ!
トータル通信費は月額2,068円でこのプランが実現します!
楽天モバイル 1,078円/3GB
mineo(マイそくスタンダード) 990円/データ無制限
楽天モバイルを通話専用SIMとして使いつつ、データ通信はmineoで行っていくスタイルです。
楽天モバイルには「Rakuten Link」という通話専用アプリがあり、どれだけ通話をしても通話料金はかかりません。
標準のアプリから電話をかけた場合は30秒/20円がしっかりとかかりますので、必ず専用アプリから発信するようにします。
mineoは「マイそく(スタンダード)」プランを使うことで、最大通信速度1.5Mbpsの無制限通信が可能になります。
通信速度1.5Mbpsと言うと、SNSの閲覧・YouTubeの閲覧(中画質)・音楽のストリーミング再生などは問題なく行うことができる速度です。
一方で「マイそく(スタンダード)プラン」には以下のように2つの注意点があります。
- 3日間で合計10GB以上利用した場合は通信制限がかかる。
- 平日お昼12時~13時の通信速度が最大32kbpsになる。
「3日間で10GB」と聞くと今一つピンとこないと思いますので、次の表を見てください。
動画再生でも20時間閲覧可能となると、かなりのヘビーユーザーでない限り10GBを超える心配はないかと思います。
また、平日お昼の通信制限ですが、正直32kbpsは何もできないレベルだと思ってください。
平日の昼間にスマホを使う機会が多い方は、楽天モバイルに切り替えることで3GBまで高速通信ができるので問題ありません。
通話かけ放題・データ通信無制限が約2,000円で使える、ヘビーユーザー向けの組み合わせです!
②通話発信はほぼせずデータ通信はたくさんする人向け:IIJmio×mineo
データ通信は頻繁にするが、通話はあまりしない、するとしてもLineなどの無料通話アプリで事足りるという方には、IIJmio×mineoの組み合わせがピッタリです。
トータル通信費は月額1,430円で済みます。
IIJmio データeSIMプラン 440円/2GB
mineo(マイそくスタンダード) 990円/データ無制限(1Mbps)
プラン①の楽天モバイルをIIJmioの低容量プランに変更したパターンです。
mineoの役割はプラン①と変わらず、IIJmioがいざという時の高速通信用+通話障害時の対策用として機能します。
IIJmioは高品質回線であるドコモ回線を使っており、格安SIMの中でもトップクラスのコスパを誇ります。
当サイトのランキングでも堂々の2位を獲得している非常におススメの格安SIMです。
この組み合わせの注意点は、通話をするには通話料が都度発生する点です。
IIJmioはデータ専用SIMなのでmineoでの発信となりますが、22円/30秒の通話料がかかります。
とは言え、自分から電話をかけることがほとんどない人であればコスパ最強のプランです。
③通信費を徹底的に削減したい超ライトユーザー向け:IIJmio×povo2.0
通話はほとんどせず、データ通信はWi-Fi環境下ですることがほとんどという方であればIIJmio×povo2.0がベストです。
トータル通信費は実質月額477円という驚異の低価格が実現します。
IIJmio データeSIMプラン 440円/2GB
povo2.0 37円(後述)
プラン②の発展形で、徹底的に無駄を省いた最強節約プランです。
通信は基本的にWi-Fi環境下でしか行いませんが、臨時的に外出先で通信を行う場合も2GBまで高速通信が可能です。
どうしても無料アプリ以外で電話をかけたい場合は、povo2.0で22円/30秒の通話料を支払います。
povo2.0は基本料金0円で、必要なトッピングを都度追加していく特殊なプランになっています。
povo2.0には、180日間トッピング追加をしなければ強制解約になるという注意点があります。
そのため、本プランでは最低料金のトッピング「smash.使い放題パック」を半年に一度購入するようにしています。
220円を6か月で分割した37円がpovo2.0の実質的な最低維持コストとなります。
いざという時にはスポットでトッピング追加ができるので、汎用性の高いプランとも言えます。
まとめ
- デュアルSIMは1台のスマホに2つのSIMを差す仕組みで、4つの方式が存在している。
- 1台のスマホで仕事用・プライベート用に番号を使い分けることができ、通信費の節約をすることも可能。
- 超ヘビーユーザー型=楽天モバイル×mineo、データ通信特価型=mineo×IIJmio、超ライトユーザー向け=IIJmio×povo2.0
デュアルSIMを使いこなす事で、スマホをより快適に、より自分に合ったプランで使うことができるようになります。
運用を開始するまでが少し面倒かもしれませんが、一度仕組みを作ってしまえば継続的に効果は続いていきますので、通信費のさらなる節約を目指している方は早めに取り組んでみましょう。
デュアルSIMが面倒だと感じた方には、シングルSIMでもおすすめの携帯会社の紹介もしています。
興味があればそちらもご覧ください!
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